マインツ武藤嘉紀の日本代表復帰計画。まず最初は「ケガしないこと」 (2ページ目)

  • 了戒美子●文 text by Ryokai Yoshiko photo by AFLO

「楽しみですね。みんなもコンディション上、疲れている時期だろうから、そこでは結果を出すというよりも試合勘と、いいプレーを大事にしたいな。アピール合戦だから結果を出すことも大事だけど、ケガをせず、徐々に徐々に。一気に上げようとすると筋肉系のトラブルが出てくるから」

 武藤が何よりも恐れているのはケガによる離脱だった。ケガそのもののダメージだけでなく、休養を余儀なくされれば本来のコンディションに戻るまでに時間がかかる。だからこそ慎重を期し、フルタイムでサポートしてくれるトレーナーを日本から呼び寄せ、足の裏の細い筋肉を鍛えることなどをしている。

「全部を見つめ直して、バランスから何から、把握するところから始めました」と言う。

 そのFC東京とのフレンドリーマッチで、武藤は60分ほどプレーした。この夏一番の暑さとトレーニングによる疲労の中、ヘロヘロになりながら「いや、やばかった。死ぬかと思った。明日も練習試合なの? 休みたいなあ」と、言葉を絞り出した。

 それでも慎重な姿勢は崩していない。この試合で武藤はワントップの位置に入ったが、シュートまで持ち込む場面はなく、味方を使った簡単なプレーに終始した。

「もっと(ゴールに)貪欲にいっていい。でも、今日は自分で仕掛けるというより、簡単にはたいて周囲のリズム的なことを考えていた。もうちょっとして身体ができ上がってきたら、自分でいけるくらいにしていかないといけないなと思う」

2 / 3

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る