香川真司とドルトムントが契約延長。「チーム5番目の好待遇」の意味 (2ページ目)

  • 山口裕平●文 text by Yamaguchi Yuhei 山添敏央●写真 photo by Yamazoe Toshio

 香川が日本でチームに合流するという事実を地元メディアがつかむと、「日本で華々しく契約更新を発表するのでは?」という噂が流れ、それが現実のものになったというわけだ。

 日本のスター選手との契約更新を生まれた国で発表する。アジアツアーにおけるプロモーションとしても、これ以上ないシナリオだ。ドルトムントと日本の関係が特別であることを示す上でも、意味のある行動だった。
 
 近年、海外ツアーで日本を訪れる欧州クラブは多いとはいえない。すでに欧州サッカーの人気が定着し、爆発的な成長を望めない日本よりは、大きなポテンシャルを持つ中国や東南アジア、アメリカのほうが好まれるからだ。そんな中で2年前、ドルトムントが初めての海外ツアーの目的地に選んだのは香川の母国である日本、そしてブンデスリーガが海外オフィスをオープンしたシンガポールだった。

 香川が日本のスター選手であることはもちろんドルトムントも分かっているが、ドルトムントというクラブがどのくらい受け入れられるかは未知数だった。そして、日本での熱狂的な歓迎に感銘を受けたドルトムントは、極東の島国に確固たるファンベースがあることを確信し、再び日本に戻ってくることを誓った。

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