日本のW杯予選に危険信号。コンフェデのオーストラリアが驚きの強さ (4ページ目)

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki photo by Getty Images

 だが、それでもスコアは2-3。内容的にも接戦と言うべき好勝負を展開した。ドイツは世界的に見ても体格面、フィジカル面に優れた国だが、オーストラリアはそのドイツさえも凌駕する瞬間があった。ドイツに正面から殴りかかり、2点を奪ったわけだ。

 一方において、それとは対照的なチリにも好勝負を演じ引き分けた。幅の広さを見せた。すなわち、総合力の高さを見せつけた。このオーストラリア。率直に言って強敵だ。

 トミ・ユリッチ、トム・ロギッチ、マッシモ・ルオンゴ、さらにはチリ戦でマン・オブ・ザ・マッチに輝いたジェームズ・トロイージと、前線に能力の高い大型選手が並ぶ。日本が1-3で逆転負けした2006年ドイツW杯の初戦が、ふと頭をよぎる。大型選手に正面から殴られ3失点したカイザースラウテルンでの一戦が。

 日本に残された対抗策は、やはりサイド攻撃しかない。相手がどんな布陣で臨んでくるか、定かではないが、ド真ん中をブルドーザーのごとく迫力ある攻撃で押してくるであろうオーストラリアに対し、数的に上回る可能性が高いサイド攻撃で反撃する。逆に真ん中を進んだら、相手の思うつぼ。プレッシャーの餌食になる。

 日本の最終戦がサウジアラビアであるのに対し、オーストラリアはタイ。この組の最弱国とホームで対戦する。勝利は堅い。日本に無理に勝たなくても本大会に出場できる環境にある。

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