またもユベントスのCL制覇叶わず。ブッフォンの夢はディバラに託す (4ページ目)

  • 井川洋一●文 text by Igawa Yoichi
  • 藤田真郷●撮影photo by Fujita Masato

 守備のタスクはそれなりにこなしていたが、持ち味の攻撃性は見せられないまま、78分には交代を命じられた。その後はタオルを頭からかぶって、ベンチで長くも短くも感じられる時間を過ごしたのではないか。

 試合終了後、遠くの記者席からオペラグラスを覗くと、ディバラが自分の顔を拭く様子が何度か見えた。汗なのか涙なのか判じかねるものだったが、彼の悔しさと無力感は十分に伝わり、チームメイトやスタッフの誰もが、彼の頭や肩に触れた。やがてディバラは座り込み、芝生に目を落とす。それを目に留めたアウベスが彼を立ち上がらせて、肩を叩いた。「ユベントスの夢のCL制覇はお前にかかっているんだぞ」とでも言うように。

「今、私たちは休息を必要としている。しっかり休んで、また新たにモチベーションと勢いを取り戻そう。フットボールは次の年にまたチャンスをくれるのだから」とアッレグリ監督は言い、ブッフォンも「契約はあと1年残っているから、CL制覇のチャンスはもう一度ある」と前を向いた。

 またしても叶わなかったユーベの夢。それでも、フットボールは続いていくのだ。

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