初ゴールの柴崎岳はスペイン語でコメント。チームの信頼を得て昇格へ (2ページ目)

  • 山本孔一●文 text by Yamamoto Koichi photo by Mutsu Kawamori/MUTSUFOTOGRAFIA

「Contento, me alegro mucho. (満足だし嬉しい)」

 記者の質問こそスペイン人通訳に日本語に訳してもらったが、柴崎はスペイン語で一生懸命に話している。テネリフェに移籍して4カ月。もちろん上手なスペイン語とはいえないが、柴崎はしっかりと日本語からスペイン語へと頭のチップを変換して地元記者の質問に答えていた。

 移籍直後の、早々に日本に帰国するのではないかと言われた騒動が嘘のように、その姿勢は、柴崎がチームやスペインのサッカー、生活に適応しようと前向きに歩んでいることを感じさせるものだ。実際、柴崎は地元メディアの「今では問題はないか、幸せか?」という質問に対して、「Sin problema. todo muy contento. (問題ないよ。すべてのことに満足している)」と答えていた。それを聞いたテネリフェの記者やカメラマンの一団は笑顔に包まれた。

 柴崎はサポーターとも地元メディアとも友好な関係を築くことができた。ピッチ外のいい雰囲気はピッチの中にもいい影響を与える。それにより少しずつ結果も出せるようになってきた。

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