レアルが勝ちバルサが敗れたのはなぜか。CL準々決勝の明暗 (4ページ目)

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki photo by Getty Images

 堅守を自慢にするユーベが守り切った。スポーツニュースのナレーションはそう伝えていたが、ユーベは少なくとも、2年前よりよく攻めた。

 なにより布陣が違っていた。4-3-1-2から4-2-3-1へ。その結果、2年前は単調だったカウンター攻撃に、バラエティが加味された。一回一回、可能性のある攻撃を繰り返した。

 バルサにはこれがボディブローのように効いた。バルサペースはそれによって寸断。連続攻撃を仕掛け、ユーベディフェンスを混乱に陥れるという狙いを阻止された。ユーベが90分間、バルサの攻撃をひたすら耐えたというわけでは全くない。

 バルサは前の3人(ネイマール、リオネル・メッシ、ルイス・スアレス)の力は相変わらずだが、それ以下の組織が弱体化している印象だ。サイドチェンジも少なく、両サイドバックも攻撃に効果的に絡めていない。3人頼みのサッカーが、いっそう色濃くなっている。

 クリスティアーノ・ロナウドはともかく、カリム・ベンゼマ、ガレス・ベイルを試合途中でベンチに下げても何ら問題のないR・マドリードとの違いでもある。マルコ・アセンシオ、ルーカス・バスケスが投入されても、スタイルを保つことができるR・マドリードと、3人を常時ピッチに置いておかなければ、らしさを発揮できないバルサ。この差は大きい。

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