厳戒護送される香川真司。
ゴールはしたが、試合をやるべきだったのか (2ページ目)
さまざまな情報を知れば知るほど、恐怖が募った。選手バスの強度が相当なものだったため、被害はバルトラの骨折で済んだが、もし犯人が意図した通りの爆発が起こっていたら、恐ろしいことになっていたはずだ。あるいは一般人が乗る車両が狙われていたら、ひとたまりもなかっただろう。
翌12日の試合、チームバスはいつもと違うルート、入場口を使ってスタジアムに到着した。こうして異例ずくめの試合が始まった。
前半は0-2でモナコがリード。1点目は映像を確認する限り明らかなオフサイドで、2点目はオウンゴール。それ以外にドルトムントはPKも献上しており、ばたついた様子は傍目にも明らかだった。
トーマス・トゥヘル監督は、後半開始とともにヌリ・シャヒンとクリスティアン・プリシッチを一気に投入して流れを変えた。そんな中で57分、香川真司のアシストからウスマン・デンベレの得点が生まれた。
ラファエル・ゲレイロからのクロスを、オーバメヤンが相手DFと競り合いながらヒールで前方にパスを送る。ゴール前に飛び込んだ香川は相手GKの目の前でつなぎ、飛び込んだデンベレがゴールに叩き込んだ。ゴールシーンの直後、香川は険しい顔つきでガッツポーズを見せ、ゴール裏のサポーターたちをあおり、年下のチームメイトたちを鼓舞した。
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