武藤嘉紀と宇佐美貴史。同い年のアタッカーが考える「スタメン奪取法」 (3ページ目)

  • 了戒美子●文 text by Ryokai Yoshiko photo by Mutsu Kawamori/MUTSUFOTOGRAFIA

 タイプが異なるだけに、明確な違いは示しやすい。だが、評価の対象はあくまでも結果だと、自分に言い聞かせるように語った。

 宇佐美が置かれた状況も相変わらず厳しいものがある。この日、左MFに入ったコスタス・スタフィリディスは本来、守備の選手。攻撃面で機能したとは言い難い。マインツにコルドバがいるように、アウクスブルクではラウール・ボバディージャが前線に君臨している。チームはカウンターを仕掛けようとしていたが、決定的な場面には至らなかった。

「相手のカウンターを警戒はしていましたね。向こうのチャンスはそれくらいなので。ただ、それでやられて、少し気持ち的な部分でダメージが大きかったかなと思います」

 チームの敗戦もさることながら、宇佐美は自身の現状にも忸怩(じくじ)たる思いを抱いていた。

「今日はなかなか左サイドも機能していませんでしたし、後半の頭に2人交代したので、僕としてはもう少し早く出れるように......。あれだけ前半よくなかったのなら、後半の頭から出られるような攻撃性というのを、もっと練習の中から見せていかないといけないと、強く感じます」

 0-2で90分から投入されて満足な選手など誰ひとりいないだろう。

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