苦境の宇佐美貴史がポジティブに変身。「練習も食事も、すべて変えた」 (5ページ目)

  • 了戒美子●文 text by Ryokai Yoshiko photo by Getty Images

――ただ、10試合連続で出場がなくて、日本代表からも外れましたよね。

「あのままガンバで、Jリーグの環境で試合に出続けて、それで代表に選ばれ続けても、なんの変化もなかったと思うんです。キヨ(清武弘嗣)君だったり、(原口)元気君だったり、(香川)真司君、(本田)圭佑君とか、海外でやっている選手には、あのままJでやっていても及ばないと思ったので。だからこそ海外に出てきたというのがあって。代表からは外されてしまいましたけど、でもここからアウクスブルクで試合に出られるようになって、試合で活躍するようになったときのことを考えると、ガンバで出続けるより自分にとっては確実にプラスだと思いますよ」

――ガンバで出続けるよりも、苦しんだとしても?

「今は苦しんでいるかもしれませんけど、こっちに出てきて本当によかったなと、こういう状況でも思う。やっぱりレベルが全然違う。普段行なわれている競争から、レベルが全然違いますから」

――それでも前半戦、これだけ苦しむとは予想外だったのでは?

「予想外でしたね。試合こなしながら、ブンデスリーガのスピードにも慣れて......という感じを予想していました。慣れていく中で、自分の表現したいプレーをやっていくんだろうなと思っていたので」

――その苦しみを後半戦につなげていきたいですね。

「まず冬季キャンプから勝負です。たぶんほかの選手はベッタリ休んでくるでしょうからね。そこも少し......、少しというかかなりチャンスでしょうね。貪欲にポジションを奪っていかないと、後半戦もこんなような状況じゃ話にならない。下積みというか、積み上げ作業は半年で十分。やってきたことを試合にぶつける後半戦にしたいなと思います。精神的な部分とか、逆境に立たされたときもやり続けるというところは変わらないですけど」

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