好調、原口元気が抱えるジレンマ。「これがヘルタのサッカーなので」 (2ページ目)

  • 了戒美子●文 text by Ryokai Yoshiko photo by Getty Images

「ビルドアップをうまくやりたかったですけど、相手があまり出てこなかったので、なかなかうまく回らなかったですね。後半はロングボールを増やせということで。僕も前半はちょっと中に入りすぎていたかな。外に張れと言われて、リズムはできたかなと思います。中に入るなということだったけど、それだとなかなかゴールに行けない。ゴールを獲りたいから中に行くんですけどね。外からゲームを作る感じでした」

 昨季の原口には「5試合に1点は欲しい」という強い意欲があった。今季も「まずは1点」と、攻撃の選手としてもちろん意気込んではいるのだが、ここまで12試合で無得点に終わっている。

 サイドの選手として十分に評価されている。走れる選手として、相手を苦しめている自負もある。だが、出てこないパスへの苛立ちを隠さなかった。今季の序盤も、「中の選手がいい形で受けるのは仕方がない。でもアシストかゴールを獲る仕事がしたい。できるだけゴール前に入りたい」と語っている。サイドでのプレーを求められていても、結果さえ出せば許容されるはずだと思っているようでもあった。

 だがマインツ戦では、どことなく様子が違うように感じられた。

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