長友佑都を高く買うインテル新監督。なのに、なぜ移籍話は消えないのか (2ページ目)

  • マッテオ・ブレーガ●文 text by Matteo Brega 利根川 晶子●翻訳 translation by Tonegawa Akiko

 長友に数分間、体を温めさせると、ピオリは彼を呼び、ピッチに入ってからの策を授け始めた。しかしちょうどその時、CBのガリー・メデルが右膝を痛め、ピオリは同じCBのムリージョを投入することを余儀なくされた。長友はまたベンチへ戻り、後半までそこに座り続けることとなった。

 実は試合後にいろいろ話を聞いてみると、メデルの代わりに長友を投入し、アンサルディをCBに移すという案も出ていたようだ。アンサルディはジェノア時代にこのポジションでプレーした経験がある。とにかく長友がダービーでもっと長くプレーする可能性は大いにあったのである。

 長友にはスピードがあり、同じサイドでプレーする敵のダッシュにも問題なく対峙できる。アンサルディはスソのスピードに翻弄されていたが、最初からこのポジションに長友を使っていたら、あれほどスソの好きなようにはプレーさせていなかったろう(スソはこの日、2ゴールをマークする活躍)。

 10月初めの対ローマ戦(2対1で敗北)で、前任のフランク・デ・ブールが、モハメド・サラー封じにダビデ・サントンを使って失敗した時も、長友を入れていたなら違う結果が出ていたと言われていた。今回も同じだろう。長友はインテルのディフェンスにおいて重要な存在と思われている。敵のスピードあるサイドアタッカーに、同じようなスピードでついていけるのは、インテルの中で長友だけなのだ。

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