うなだれるメッシ。W杯南米予選「10番対決」はネイマールに軍配 (2ページ目)

  • 沢田啓明●文 text by Sawada Hiroaki photo by Getty Images

 一方、アルゼンチンもブラジルと同様、もしくはそれ以上に勝利を、勝ち点を必要としていた。この試合を前にして、南米予選で6位という信じがたい順位に沈んでいたからだ。

 今年6月に行なわれた南米選手権創設100周年記念大会の決勝で延長、PK戦の末にチリに敗れると、チーム作りが順調に進んでいたにもかかわらず、ヘラルド・マルティーノ監督が突如辞任してしまう。その後、過去に2度、クラブ南米王者となった実績を持つエドガルド・バウサを新監督に迎えたが、就任後の南米予選4試合で1勝2分1敗と苦しんでいた。

 試合の序盤は、アルゼンチンが優勢。24分、ボランチのルーカス・ビリア(ラツィオ)が強烈なミドルシュートを放ったが、ブラジルのGKアリソン(ローマ)が辛うじて防いだ。

 その直後、ブラジルは左サイドで左SBマルセロ(レアル・マドリード)が起点を作り、パスを受けたネイマールが前へ叩くと、これを受けたコウチーニョ(リバプール)がドリブルで中へ切れ込みながらマーカーをかわし、強烈なミドルシュートを叩き込んだ。

 その後、アルゼンチンが前がかりとなるが、ブラジルは強固な守備ブロックで跳ね返し、危険なカウンターを繰り出す。

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