スペインの怪。ビジャレアル監督はなぜ「八百長」でクビになったのか (3ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki photo by Getty Images

 そもそも、マルセリーノの先発メンバーの極端な変更は日常茶飯事だった。それをマスコミに批判されたこともある。例えば昨季、バレンシアに勝った後のリバプール戦では10人を入れ替えたりしている。

 ヒホン戦のビジャレアルに精気が乏しかったのも、ヨーロッパリーグの準決勝でリバプールに敗れた直後で、チーム全体での失望が大きかったせいだろう。消化試合に全力を尽くせる状態ではなかった。

 マルセリーノ監督は自らをこう弁護した。

「まず、プレッサ会長に言いたいと思う。私は気がふれたわけでも、人殺しでもない。一人のプロフェッショナルの監督だ。その私を侮辱したわけで、弁護士と話して法的処置をとらせてもらう。ロイグ会長に関しては、先日も電話で話したばかりで、『君の誠実さを疑ったことはない』と言われ、いい関係を保っている。なので、報道で出ているコメントについては理解できない。(解任理由は)方向性が一致しなかったと言うしかないだろう」

 これを受け、ロイグ会長は「私は『シーズン最後のいざこざで』と話しただけで、ヒホンなどという名前は出した覚えはない」と弁解。苦し紛れにも見えるが、自分が巻き添えを食らうことを避けたのだろう。

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