バルセロナはなぜ「ワールドクラスでない」
GKを獲得したのか (2ページ目)
こうしてクライフは、新しいGKの概念をつくり出した。彼にとってGKとは、グローブをはめたフィールドプレーヤーであり、チームの「最初のアタッカー」だ。
だから、ヤン・ヨングブルートのような凡庸なGKでも、オランダ代表で2度のワールドカップ決勝に出場することができた。ヨングブルートはシュートを止めるのは得意ではなかったが、フットボールはできたし、味方DFの背後にある50メートルのスペースをうれしそうに守った。
とはいえ、完璧な「クライフ派」のGKが現れはじめたのは、90年代になってからだ。最初はファン・デル・サール。のちにドイツがクライフ的なGK観をとるようになると、マヌエル・ノイアーが登場した。
バルサやアヤックス、バイエルン・ミュンヘンやドイツ代表のGKは、セーブをたくさんする必要がない。普通の試合なら、手より足でボールを扱うほうが多い。
クライフを信奉するジョゼップ・グアルディオラも、フットボールのできるGKが好みだ。マンチェスター・シティの監督に就任した彼は、昨シーズンまで正GKだったジョー・ハートに見切りをつけた。その理由は、ハートがなんでもないシュートを防げないということだけではない。このイングランド人GKは、パスがあまりにヘタなのだ。
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