ミラン開幕戦勝利。本田圭佑は「出番なし」でも焦りなし (2ページ目)

  • ステーファノ・メレガリ(『Forza Milan!』編集長)●文 text by Stefano Melegari 利根川 晶子●翻訳 translation by Tonegawa Akiko

 もう一つの大きなニュースは、30年の歳月と栄光の後、ベルルスコーニが"彼の"ミランを中国人投資家グループに譲渡したことである。ミランの株の売却は2年前くらいからさまざまな交渉がされていたが、この8月の頭にやっと話が決まったのだ。正式な譲渡は11月になるが、新オーナー側からの希望で、ベルルスコーニはその後も名誉会長として残ることとなっている。ミランを世界で一番タイトルの多いチームに変貌させた、その功績を称えて、だ。

 このように大きな変革の渦中にあったため、この夏ミランがメルカートに投入できる金額は限られており、ここまでで新たに獲得した選手は数少ない。モンテッラ新監督も彼の構想に基づいてチーム作りを始めたばかりだ。

 選手時代アタッカーだったモンテッラは、指揮するそのサッカーもオフェンシブで、フォーメーションの基本は4-3-3。開幕戦では、プレシーズンマッチで垣間見せた彼の理念を再確認する形となった。プレーのスタイルもはっきりとし、伸びしろも十分にある。明確な方向性を与えられた選手たちは、新たなプロジェクトに熱心に取り組んでいる。

 それにしてもこの開幕戦にはなにか運命的なものを感じた。

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