「プリマドンナはいらない」。名将・コンテが理想とするチームの作り方

  • クリスティアーノ・ルイウ●取材・文 text by Cristiano Ruiu 宮崎隆司●翻訳 translation by Miyazaki Takashi photo by Getty Images

アントニオ・コンテインタビュー part.4

 今シーズンからイングランドプレミアリーグのチェルシーで指揮を執るアントニオ・コンテ。ユーロ2016ではイタリア代表を率いてベスト8進出。大会前の低評価を覆してみせたイタリアの名将が、チームづくりの哲学を語る。
チェルシーのホームスタジアム、スタンフォード・ブリッジでの撮影に応じるコンテ監督チェルシーのホームスタジアム、スタンフォード・ブリッジでの撮影に応じるコンテ監督
――ユーロ2016のイタリアは、DFボヌッチやFWジャッケリーニが言うところのいわゆる〝肝の太さ〟という武器も備えていました。最も重要な選手であるMFクラウディオ・マルキージオを欠き、さらにはMFマルコ・ヴェラッティもMFアンドレア・ピルロもいない状況で、敵を恐れぬ戦う集団という部分にこそ監督は重きを置いたと言えるでしょうか。

 その通り。私は、巷間よく言われる例の〝たったひとりで試合を決める選手〟の類に興味がない。なぜなら、その手の選手が、仮にスーパースターであろうと、チームの結束を乱すようではむしろ有害でしかないからだ。

 こうも言える。「たったひとりで試合を決める選手」が存在するとしても、では、その選手は、一体どれだけの試合でチームを負けに導いてしまうのか? 

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