C・ロナウド、ペペ...。「ブレンド型」選手がポルトガルを強くした

  • サイモン・クーパー●文 text by Simon Kuper
  • 森田浩之●訳 translation by Morita Hiroyuki

【サイモン・クーパーのフットボール・オンライン】ユーロ王者ポルトガルの物語(後編)

トロフィーにキスするC・ロナウド(photo by MUTSUFOTOGRAFIA)トロフィーにキスするC・ロナウド(photo by MUTSUFOTOGRAFIA) ユーロ2016でポルトガルが最高のチームだったとは、誰も思っていないだろう。イタリアやドイツのほうが、おそらく強かった。

  1次リーグのポルトガルは、弱小国ばかりのグループで3位に終わった。出場枠がなんの分別もなく24カ国に拡大されていなければ、この時点で大会を去って いたことになる。決勝で唯一のゴールを決めたエデルは、2015~16シーズンの冬まで在籍したプレミアリーグのスウォンジーでは無得点に終わっており、 フェルナンド・サントス監督の率いる代表に招集されはじめたばかりだった。

 今回のユーロを制したポルトガル代表は、12年前のユーロでギ リシャに敗れたルイス・フィーゴやデコ、マニシェ、クリスティアーノ・ロナウドのチームより明らかに劣っていた。監督のサントスも認めたように、ポルトガ ルはひどい試合をしていた。決勝が終わった後にペペがピッチで吐いていた姿は記憶から消し去りたいが、今大会のポルトガルがいかに見る者を楽しませなかっ たかを象徴するシーンだ。

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