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トルコが16強進出に望み。複雑な3位争いで「裏カード」が白熱する (2ページ目)

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki photo by Getty Images

 トルコは、1戦(クロアチア戦)、2戦(スペイン戦)とも、4−3−3の両ウイングの位置に、ハカン・チャルハノールとアルダ・トゥランというゲームメイカータイプの選手を置いていた。その結果、4−3−3は先細りのデザインを描いた。両者が真ん中に入り込んだからだが、その問題点に気づいたのか、ファティ・テリム監督は選手の配置を変えてきた。アルダ・トゥランをインサイドハーフに据え、チャルハノールをベンチに置いた。両ウイングにはエムレ・モールとボルカン・シェンというウイングらしいウイングを起用した。

 開始当初から、とりわけ目を引く動きをしていたのはエムレ・モール。身長168センチ。弱冠18歳の小柄な右ウイングは10分、アルダ・トゥランから右サイドで縦パスを受けると、その奥深い位置に侵入。中をよく見てマイナスに折り返した。

 これをハーフバウンドで巧みに合わせたのがブラク・ユルマズ。中国Cリーグ北京国安でプレーするセンターフォワードは、チェコのGKペトル・チェフの左肩上を抜く鮮やかなゴールを決めた。

 トルコはもう3点奪えば「当確」が出るまでになったが、その後、チェコの反撃に遭う。勝てばベスト16進出が決定する状態から、あと2点取らないとベスト16がない状態に一変し、チェコは尻に火がついたのか、トルコが1回攻めれば、それ以上の威力で向かってきた。

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