C・ロナウド不発でまたドローのポルトガル。得点力不足より心配な弱点 (3ページ目)

  • 杉山茂樹●文 Sugiyama Shigeki 赤木真二●写真 Akagi Shinji

 ともにベテランだ。走力に自信がないので、背後を突かれたくないと考えているのか。理由は定かではないが、その結果、守備的MFとの間にスペースがぽっかり空くこともしばしばだった。そこを大してボール操作術の高くないオーストリアに突かれた。決定機、惜しいチャンスを何度か作られ、ヒヤリとさせられている。そこにポルトガルの弱点を見た気がした。

 とはいえ、これまでなら、C・ロナウドを反則で止めたヒンターエッガーにはイエローカードではなくレッドカードが出されているシーンだった。ペナルティエリア内の決定的シーンを反則で止めれば、赤紙&PKだった。以降、オーストリアは10人の戦いになっていたはずだ。残り時間は10分とプラスアルファだったが、もしオーストリアが10人なら、ポルトガルには大きなチャンスが巡ってきただろう。PKは外すわ、11人の戦いに持ち込まれるわ。今大会から導入された新ルールがポルトガルに災いしたことは確かだった。

 大会前、ブックメーカーから6、7番手に推されていたポルトガルは、これで2戦引き分けになった。アイスランドとオーストリア。若干タイプは違うが、ともかく真面目だった。欧州のひのき舞台で、ひと泡吹かせたいと願う両者のモチベーションは、ひしひしと伝わってきた。ポルトガルの2引き分けは、それに面食らった結果だと言える。

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