シュート19本で1点。ユーロの伏兵・スイスの攻撃が期待外れなわけ

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki
  • photo by Hara Etsuo

 ユーロ2016は出場24カ国すべてがグループリーグ初戦を終え、3月15日(現地時間)からはグループリーグの2巡目に入った。

 グループAでは、スイスがルーマニアと1-1で引き分け。通算1勝1分けで勝ち点を4に伸ばした。

 スイスはまだグループ2位以内を決めていないが、仮に3位に終わったとしても、一般的に考えて勝ち点4を持っていれば、グループリーグ突破はまず間違いない。事実上、決勝トーナメント進出一番乗りを果たしたと言っていいだろう(その後の試合でアルバニアを2-0で下したフランスが、2連勝で勝ち点6とし、グループ2位以内を確定させた)。

 今大会前、スイスは優勝候補に位置づけられるトップグループを追う、セカンドグループのなかのひとつと見られていた。旋風を巻き起こす可能性を秘めた伏兵候補、といったところだろうか。

 実際、ビッグネームこそいないものの、ブンデスリーガ、プレミアリーグ、セリエAでプレーする選手を揃えたチームは、確かに粒ぞろいで見栄えもいい。2試合を終えての勝ち点4は、そんな前評判に応える結果と言っていいのかもしれない。

 しかし、その内容はというと、率直に言ってかなり物足りない。選手個々はそれなりに力を発揮しているのだが、それが組織として機能していないのだ。

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