2016.06.08

EURO2016、フランス人は愛想を尽かした代表チームを再び愛せるか

  • サイモン・クーパー●文 text by Simon Kuper   森田浩之●訳 translation by Morita Hiroyuki

【サイモン・クーパーのフットボール・オンライン】EURO2016、5つの願い(前編)

フランス代表を率いるデシャン監督。98年W杯の再現はなるか? photo by Getty Images  ユーロ2016が本当に、もうじきフランスで開かれるのか──。つい最近までパリの空気は、そんなふうに思わせるものだった。

 フランスのフットボールファンは、代表チームに愛想を尽かしたまま。パリで起きた同時テロも、まだ記憶に新しい。熱気が感じられなくても、ある意味、当然だったろう。

 まだ盛り上がりがなかったころ、この大会で実現したら面白そうな「ささやかな願い」をまとめてみた。5つある。

1 シンデレラ物語

 クラブのフットボールで小さなチームがトップになることは、ほとんど不可能になった。大きなクラブが圧倒的に強くなったため、僕たちはレスターがプレミアリーグで優勝しても「シンデレラ物語」のように思うようになっている(レスターは地球上で24番目にリッチなクラブだ)。

 今度のユーロでも、大きな国が勝つだろう。確かにユーロでは、驚くべき国が優勝を遂げたことがある。1976年のチェコスロバキア、1992年のデンマーク、2004年のギリシャなどだ。しかし出場国が24カ国に増え、優勝への道がこれまでより長くなったことは、小国にとって不利な要素だ。