優勝オッズ1位の開催国フランス。中盤には欧州屈指のスーパーコンビ (3ページ目)

  • 中山淳●文 text by Nakayama Atsushi photo by Panoramic/AFLO

 また指揮官にとっては、前線の駒が充実している点も心強い。

 1トップは、前線でポストプレーも器用にこなすオリビエ・ジルー(アーセナル)が最有力。決定力の部分でやや不安は残るものの、点取り屋として一段と逞しくなったアントワーヌ・グリーズマン(アトレティコ・マドリード)、チームに変化を与えてプレースキックも得意なディミトリ・パイェ(ウェストハム)、個人で局面を打開できるキングスレイ・コマン(バイエルン)、目下急成長中のアントニー・マルシャル(マンチェスター・ユナイテッド)といったハイレベルなタレントたちが両翼でジルーをサポートする。もちろんグリーズマンを1トップで起用する選択肢もあり、前線の3人の組み合わせについては指揮官の嬉しい悲鳴が聞こえてきそうな選手層の厚さだ。

 代表のチームメイトだったマテュー・バルブエナ(リヨン)を脅迫した疑惑によって、本来前線の軸となるはずだったカリム・ベンゼマ(レアル・マドリード)をメンバー外とする決断を強いられたという誤算はあったが、現在は、メディアも「チーム内から火種を除去する大義名分になった」と、この一件をポジティブにとらえる空気さえある。

 逆に、開幕を前に不安材料として急浮上しているのが、ここ最近の3試合で6失点を喫して崩壊状態に陥っている最終ラインだ。

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