安定感欠く世界王者ドイツ。リーダー不在が影響か

  • 山口裕平●文 text by Yamaguchi Yuhei photo by Getty Images

イングランド戦で主将を務めたケディラ(左)を呼ぶレーヴ監督イングランド戦で主将を務めたケディラ(左)を呼ぶレーヴ監督 2014年ブラジルW杯で世界王者となったドイツ。今夏フランスで開催されるEURO2016でも、大手ブックメーカーの予想では開催国フランスとともに優勝候補と目されている。

 本大会の予備登録メンバーを見極める最後の機会となった3月末の代表ウィークは、イングランドに2-3で敗れ、イタリアには4-1で勝利するという結果に終わった。

 ブラジルW杯後にドイツが歩んできた2年間は、決して順風満帆なものではなかった。世界一になった後に高いモチベーションを保つことの難しさ、練られる各国のドイツ対策、そして世代交代。ドイツが取り組まなければならない課題は決して少なくなかった。

 世界王者として臨んだアルゼンチンとの親善試合ではいきなり2-4で敗れ、待ち受ける道の困難さを感じさせた。直後に行なわれたEURO予選初戦スコットランド戦では苦戦を強いられながらも何とか白星スタート。だが続くポーランド戦では敗戦、アイルランド戦でもドローに終わり、3試合を終えた時点で6チーム中4位と出遅れることになった。第7節でポーランドに勝ち、ようやく首位に立ったが、予選突破のかかった試合ではアイルランドに敗れ、本大会出場決定は最終節までもつれこむことに。最終的には首位で予選通過を決めたものの、世界王者としての安定感は失われたままだった。

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