2016.01.20

「イ・イ・イヌイ」の歌。連続ゴールの乾貴士とエイバルの幸福な関係

  • 山本孔一●文 text by Yamamoto Koichi photo by Mutsu Kawamori/MUTSUFOTOGRAFIA

 エイバルのMF乾貴士が、エスパニョール戦に続き、後半戦スタートとなるグラナダ戦でもゴールを決め、5対1と勝利したチームの大量得点の火付け役を担った。

グラナダ戦で先制ゴールを決め、チームメイトに祝福される乾貴士 エイバルのホームスタジアム、イプルーアに集まるサポーターの日本人MFに対する視線は、前節エスパニョール戦でゴールを決めたことから、これまでと明らかに違うものだった。寒気に包まれたスタンドは、乾がペナルティーエリア手前でボールを受けると固唾を飲み、またゴールを決めてくれるはずだという期待感が高まった。

 そして35分、この試合の主役の1人であるケコのクロスに乾がダイレクトで左足を合わせた。折り返しをケアしていたGKのニアサイドをエイバルの背番号8番がしっかりとぶち抜き、ネットを揺らす。6000人収容の小さなスタジアムが歓喜の渦に巻き込まれた。

 乾のゴールの直後、日本人の記者仲間の携帯に、メッセージが届いたことを知らせる着信音が響いた。「乾が決めた。ビバ(万歳)日本、ビバエイバル!」。取材を重ねることで懇意になったエイバル役員からの喜びのメッセージだった。得点を決める前まで、「乾にはゴールが足りないんだ」と、頼んでもないのにプレー分析をしてくれたサポーターも、満足げな笑みを見せていた。