2016年、岡崎慎司がプレミアリーグで不動のFWになるために (4ページ目)

  • 田嶋コウスケ●取材・文 text by Tajima Kosuke  photo by Getty Images

 こうした状況は徐々に改善してきているが、まだまだ理想的とは言えず、後半戦で飛躍を遂げるための課題となるだろう。その壁を乗り越えるために、岡崎は「エゴ」を出していきたいと言う。

「練習でもそうですけど、前を向いて、仕掛けてシュートを打ったりとか。ここからは自分のやりたいことも、どんどん出していきたい。ターンできるときはターンして、横に味方がいてもシュートを打っちゃうとか。ちょっと独りよがりなエゴを出しても、自分勝手な選手だとはもう思われないし」

「献身性」や「ハードワーク」で存在価値を高める作業は、プレシーズンからの半年間で終了した。今後はゴール嗅覚や決定力を発揮しながらゴール前で怖さを示し、「点取り屋」のイメージをチームに植え付けていく──。そのためには、独りよがりなプレーだっていとわない。ゴールを重ねていけば、効果的なラストパスも増えていくはずだ。

「並の選手で終わるか、もうひとつ上にあがるか。その差は、すごく大きいポイントかなと思っています。クラブでも、代表でも、もう一度自分を確立したい。大事な場面でコツコツと点を獲り、『やっぱり岡崎だな』と言われるようになりたい」

 1月2日のボーンマス戦から、早速プレミアリーグの後半戦が始まる。29歳のオールドルーキーは、貪欲に次のステップへと駆け上がろうとしている。

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