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退場でも愛される長友佑都。ついにインテルは契約延長を検討 (2ページ目)

  • マッテオ・ブレーガ●文 text by Matteo Brega  利根川晶子●翻訳 translation by Tonegawa Akiko

 例えば2週間前のフロジノーネ戦。マンチーニが長友を交代させると、サンシーロのスタジアム中の人間がピッチを去る彼にスタンディングオベーションを贈った。インテリスタが長友を心から愛している証拠である。長友の、自らを犠牲にして練習に励み、決して不平を漏らさない態度。そしてなによりネラッズーロのユニホームに対する尊敬の念を持っていることを、彼らは高く評価しているのだ。

 開幕から2ヵ月近く、マンチーニはほとんど固定したメンバーだけを使ってきた。そのメンバーの中に長友は入っていなかった。しかし8節を過ぎたあたりからマンチーニは方針を変えてくる。スクデットを目指すチームの一員であることを自覚させるためにも、すべての選手を使ってみることにしたのだ。

 おかげで長友にもチャンスが巡ってきた。ただ長友の場合、モチベーションを高める必要など本当はなかった。たとえベンチにいようとも、彼は自分がインテルのプロジェクトの一部であることを自覚していたからだ。長友は一度もその目標を見失ってはいない。どんな時でも準備万端だ。

 まるで使われなかった時期には、ミラノを離れようかという考えが頭をよぎったかもしれないが、それでも彼は集中力を切らすことはなかった。どんなに早くても1月までは移籍はありえない。それなら1月までインテルでチャンスを求めて懸命に頑張るだけだ。移籍についてはその時が来たら考えようと、彼は思ったのだ。だから彼はマンチーニにピッチに入るよう指示されると、即座にその期待に応えることができた。いや、期待以上だったかもしれない。だからこそマンチーニは彼を使い続けているのだ。

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