デビューから3戦連続出場。エイバル乾貴士を待ち受ける次なる壁 (4ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki photo by JamMedia/AFLO

「乾はテクニックを出せない状態に追い込まれる可能性があるだろう」

 スアレスは賞賛を送る一方、苦言も呈している。

「一つは守備の難点。筋力が弱いせいか、球際で怯むところがあり、ポジショニングも鍛えられていない。事実、レバンテ戦の失点は乾のポジションから浴び、セルタ戦は敵が明らかに乾のスペースを狙い、崩していた。“短所の発疹”が出始めている。また、リーガの有力ディフェンダーは乾の技術の高さを素早く見抜き、対処してくる。高いレベルで成功するには、全体のプレースキルを上げる必要がある」

 リーガの手練れディフェンダーは、短所を見つけるとグリグリと抉(えぐ)ってくる。乾は長所を見せつける必要があるが、相手はそれを封じるために工夫、対応してくる。はたして敵に応じて乾は成長進化できるのか。その適応力こそ、壁の正体と言える。

 デビュー戦のアシストのように足掛かりを作りながら、焦らず弛(たゆ)まず、その壁をよじ登っていくしかない。

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