「守備も僕の良さ」。マインツの武器になってきた武藤嘉紀

  • 了戒美子●文 text by Ryokai Yoshiko photo by Getty Images

 2連勝のマインツと、ここまで1勝1分1敗と調子が出ないシャルケの一戦。立ち上がりから主導権を握ったのはホームのシャルケだった。

 試合開始4分にフンテラールがPKを外し、嫌なムードが漂ったが、それでも攻め込み、多くのチャンスを作り続けた。37分に右CKからCBマティプがヘディングで押し込み先制。前半、残り時間わずかのところで追いつかれて折り返すが、61分、相手ディフェンダーのミスを逃さずフンテラールが決めて勝ち越し。試合は2-1でシャルケが白星を収めた。

シャルケ戦に先発した武藤嘉紀(マインツ)。試合は1-2で敗れたシャルケ戦に先発した武藤嘉紀(マインツ)。試合は1-2で敗れた だが、試合を通して印象的だったのは、マインツの意思疎通の取れた戦いぶりだった。「今日は悪い試合ではなかった」とシュミット監督は語る。主導権を握るタイプのサッカーではないのだが、押し込まれても慌てず、しっかりと守る。奪ってからはカウンターが主体となるが、その切り替えもスムーズで、シーズン前からのトライが形になってきた。

 中でもこの日、2トップをマリと組んだ武藤嘉紀のプレーは堂々たるものだった。

 32分、シャルケのマティプが足元でのボール扱いに時間がかかっているとみるやプレスをかけて奪い、そのまま速いクロスをゴール前に送った。

1 / 3

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る