ドルトムントと香川真司の壁。なぜ下位チームを崩せないのか (3ページ目)

  • 了戒美子●文 text by Ryokai Yoshiko photo by AFLO

「内容が良くても結果が出なかったら現状を乗り越えられない。自分自身もチームも全く進歩にはならないので、結果を出していかないと、もう一歩先は見えてこないと思っています」

 香川も壁にぶつかっていることを認めざるを得なかった。一方、相手のケルンは途中から引き分け狙いに転じた。得点は狙わず、ひたすら守備に回ったのだ。後半30分から途中出場した大迫勇也が説明する。

「入る前から、引き分けで良いということで、守備だけしてくれ、と。あとは時間を作ることだけして。まあ、難しかったですけどね。(前線に残らず)ボランチまで引いてから前に行くと、どうしても遅れちゃうし、パワーもその分必要なので。でも今日はそういう指示だったので」

 なりふり構わない試合で、ケルンはアウェーでの貴重な勝ち点1を手に入れた。もっとも大迫自身は「切り替えます」と繰り返し、こんな守備一辺倒の試合をひきずっても仕方がないと言いたげでもあったが。

 ドルトムントは中3日でチャンピオンズリーグ(CL)、ユベントス戦を迎える。アウェーの第1戦は1-2で敗れているが、貴重なアウェーゴールを奪っているだけに巻き返したいところ。現在のドルトムントの目標は、リーグ戦で来季のCL出場圏(4位以内)まで上昇すると同時に、今季のCLで少しでも上を目指すことだろう。目の前に大切な勝負が迫っている。

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