ミランの新システムに本田圭佑は不要なのか

  • ステーファノ・メレガリ(『Forza Milan!』編集長)●文 text by Stefano Melegari
  • 利根川 晶子●翻訳 translation by Tonegawa Akiko

オフィシャル誌編集長のミラン便り2014~2015(21)

 忍耐が復活を呼び起こす。先日の日曜(2月22日)の午後、ミランはチームとその監督にとって重要な勝利を飾った。チェゼーナを2-0で破ったのだ。

 今のミランにとって何よりも大切なのはチームのアイデンティティーを取り戻すことだ。2014年の年末に一度は手に入れたと思っていたアイデンティティーは、2015年に入ってからはすっかり消え去ってしまっていた。

 サンシーロでの勝利のおかげでミラニスタたちにも久々に笑顔が戻った。インザーギは今回、イタリア人選手たちに賭けたようだった。11人のスタメンのうちに実に8人がイタリア人選手。最近のセリエAではなかなか見られない光景である。

チェゼーナ戦で出場機会のなかった本田圭佑(Mutsu Kawamori/MUTSUFOTOGRAFIA)チェゼーナ戦で出場機会のなかった本田圭佑(Mutsu Kawamori/MUTSUFOTOGRAFIA) それは今から少し前にベルルスコーニが言った言葉をインザーギが実行したかのようでもあった。昨年の11月、ベルルスコーニはミランのオフィシャルサイトで「将来のミランは若手とイタリア人選手を核としていきたい」と発言したのである。

 この発言に加え、ケガや出場停止選手も相まってミランはボナヴェントゥーラとパッツィーニという二人のイタリア人のゴールで勝利、ピッチに降りた外国人は交代選手を合わせてもたった4人となったわけである。


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