ドイツ日本人所属チーム最上位。清武弘嗣はなぜ復活したか

  • 山口裕平●文 text by Yamaguchi Yuhei
  • photo by Getty Images

 清武弘嗣に「やんちゃさ」が戻ってきた。今季加入したハノーファーにおいてリーグ戦全試合に出場中の清武は、最近3試合で2ゴール1アシストをマーク。チームの3連勝に貢献し、順位も4位まで上昇した。何よりブンデスリーガ3年目を迎えた清武は、ロンドン五輪を経てドイツにやってきた頃のような「やんちゃさ」を再び見せている。

前節ヘルタに勝利したハノーファーの清武弘嗣(右)と酒井宏樹前節ヘルタに勝利したハノーファーの清武弘嗣(右)と酒井宏樹 昨季まで所属していたニュルンベルクが2部に降格し、今季から清武は新たなワインレッドのユニフォームを纏(まと)うことになった。昨季9得点10アシストを記録したMFフスティの穴埋めを期待され、今夏、430万ユーロ(約6億円)というチーム史上2番目の移籍金でハノーファーに加入。チームへの合流が遅れたため開幕戦こそ途中出場となったが、以降は先発に定着する。

 さらに背番号10のシュティンドルが負傷離脱して、当初起用される見込みだった左サイドMFではなくトップ下を任されることになり、チームの攻撃により大きな責任を背負うことになった。今季顔触れが変わったハノーファー攻撃陣の出来が、清武に左右されるといっても過言ではない状況だった。

 だが、清武は沈黙。時折り光るプレイを見せるものの、なかなか結果に繋がらない試合が続き、チームの得点数はリーグ下位に低迷。それでも開幕5試合目までは勝ち点を稼いでいだが、そこから3連敗を喫すると、ファンからは「高い移籍金を払ったのに......」という批判も聞こえ始めた。

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