2014.10.21

ミランのベテラン番記者が本田圭佑を信じ続けた理由

  • クリスティアーノ・ルイウ●取材・文 text by Cristiano Ruiu 宮崎隆司●翻訳 translation by Miyazaki Takashi

 今シーズン6ゴールと結果を出しているミランの本田圭佑。彼の活躍を、昨シーズンから信じ続けていたミラン番歴15年のイタリア人記者が、その理由を語った。

『それでも私は本田を信じる』――。

 こう書いたのは今年3月上旬()。まさに彼のプレーが低い次元の極地にあり、イタリア国内はもちろん、おそらくは日本でも”ミランの10番”に対する批判が渦を巻くかのように吹き荒れていた頃である。

7試合で6ゴールと好調な本田圭佑 photo by Enrico Calderoni/AFLO SPORT 事実、当時の本田は、厳しい批判にさらされてしかるべきプレーに終始していたのだから当然である。しかも、そう遠くない過去に欧州のみならず世界を席巻した実績から「名門」とされるクラブの選手であればなおのこと。わずか1試合のわずか1プレーを誤っただけで容赦なく吊るし上げられる。その是非はともかく、ここイタリアで「ジョカトーレ」の職に就くとはそういうことである。20を超える階層の頂点であるセリエAで、しかもその上位クラブに席を持つとはそういうことなのだ。しかも本田は10番である。

 したがって、私もまた、『それでも本田を信じる』としながらも、3月の時点では続いてこうも記していた。

『とはいえ、現状はいかにも厳しい』

 いずれにせよ、今明確に言えるのは、今年1月の移籍から昨季終了までの間、本田はミランの10番に値しない存在だったということだ。ミランを50年に渡り見続けてきた、いまや80歳をはるかに超えたファンのひとりは、今年3月当時、実に寂しげな表情と怒気を交えながらこう語っていた。

「今すぐ本田はミラノを去るべきだ。クラブ史上最低の10番」。そして、「50年目にして初めて、私はサンシーロへ通うことをやめた」と。辛辣に過ぎる言葉なのかもしれないが、当時の状況下でそうした声を否定する材料があったかといえば、それは誰にも持ち得なかったはずである。しかし、いかに白眼視されようとも、それでも私は本田を信じると言い続けてきた。もちろん、そこには漠たるものではない、そう確信する根拠があったからだ。