香川真司ドルトムント復帰戦でゴール。「念が通じた」 (2ページ目)

  • 了戒美子●文 text by Ryokai Yoshiko
  • photo by Getty Images

 それだけに、出場するからには結果を出さなくてはならなかった。クロップは試合2日前の会見で香川加入の効果を期待している旨を、口にしていた。香川はピッチ内外で歓迎された。それだけ大きな期待がかかっていたということでもあり、そのことは少なからず香川のプレイに影響を及ぼした。

「緊張から来るものなのか、ただ単にコンディションが上がらないのか分からないですけど、体がちょっと重かったです。それを前半の最初は特に感じていて。ただ1点、2点入って気持ち的に楽になって、体がすごく動いて来たのかな、と感じた」

 実際にこのフライブルク戦、香川は先発したものの試合勘が鈍っていたのは否めなかった。多くのボールを受けたが、ファーストタッチのミスがある一方、かつての軽やかなターンは見られず、無為に時間がすぎてしまうこともあった。

「やっぱりもっとフィットネスをあげていかなきゃいけないのかなと思います。ただ、まず1試合終えたことはほっとしています」というのは、心からの本音だろう。

 それでも、マンチェスター・ユナイテッド時代に比べれば、スムーズなチームの動きの中で生き生きとプレイしているように見えた。そして何より結果を出した。

 前半34分の先制点の場面は、左サイドで起点になった。香川はボールをキープすると、グロスクロイツへスルーパスを出す。グロスクロイツが折り返すとこれをFWラモスが決めた。「エイドリアン(ラモス)が決めた。新加入選手が決めた事は僕にとっても嬉しいです」と、香川は喜んだ。

 そして前半41分には自身が得点を決める。今度はラモスの右クロスに、中央でミキタリアンがスルー、ファーへのこぼれ球を香川が押し込んだ。


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