2014.09.14

香川真司ドルトムント復帰戦でゴール。「念が通じた」

  • 了戒美子●文 text by Ryokai Yoshiko
  • photo by Getty Images

 香川真司のドルトムント復帰初戦となったフライブルク戦。香川には尋常でない期待がかかっていた。スタジアムは香川フィーバーと呼んでも差しつかえないほどの熱気に満ちていた。日本での香川人気と比べ物にならないだけではない。このところの彼を取り巻く環境はある種、異様でさえある。

 香川の背番号が7に決まると、ユニフォームは発売初日だけで5000枚を売り上げたとビルト紙は報じた。事実、この日のスタジアムには多くの背番号7が詰めかけた。試合3日前の10日には、スタジアム横に新しく出来たファンショップで単独のサイン会が行なわれた。ビルト紙でもキッカー誌でも、ドルトムントの記事といえば香川の話題がメインだった。11日の練習公開日には多くのファンが香川のサインを求め、選手の中では一番最後まで対応していた(一番時間をかけたのはクロップ監督だった)。

フライブルク戦でゴールを決めた香川真司(ドルトムント) メディアへの対応はクラブが厳重に制限した。契約締結日や、練習参加初日にクラブオフィシャルサイトに露出した他は、コメントも一切出てこない。例えばミックスゾーンのようなところで各国代表でもある他の選手が取材に答えていたときも、香川にだけは答えさせない。クラブ広報によると「香川の身辺が落ち着くまでの処置」ということなのだが、それにしても特別な存在であるということが伝わってきた。

 戻って来た香川は、ユニフォームやグッズの売り上げでクラブに貢献するだけの選手、というわけではもちろんない。ピッチ上でも求められる役割は大きい。長らく負傷中のMFギュンドアンや、先日のドイツ代表戦で再度負傷したロイス、それにこのフライブルク戦直前に軽いケガを負ったFWインモービレなど、負傷者の多いドルトムントにあって、クロップの戦術を理解し体現できる香川の存在はこの上なくありがたいものだったのだ。