2014.08.08

リーグ・アン開幕。PSGの圧倒的強さにあきらめムード?

  • 中山淳●文 text by Nakayama Atsushi photo by AFLO

「ストップ・ザ・パリ!」

 現地8月8日から新シーズンの開幕を迎えるフランスリーグ「リーグ・アン」最大の見どころは、このひと言に尽きる。もちろんパリとは、現在リーグ2連覇中のパリ・サンジェルマン(PSG)のことである。

圧倒的な実力の違いを見せつけてリーグ2連覇を達成した昨年のパリ・サンジェルマン 2011年5月からカタール・スポーツ・インベストメントがクラブの筆頭株主として実権を握るようになったパリ・サンジェルマンは、2011-12シーズン以降、毎シーズンに渡って戦力を増強してきた。毎年100億円以上の補強費を投じてワールドクラスの選手を獲得してきたため、もはやフランス国内では別次元のチームとなっている。

 それだけに、もっと声を上げて「ストップ・ザ・パリ!」を意気込むべき強豪クラブも、開幕前からややあきらめムードが漂(ただよ)っているというのが、実際のところだ。ヨーロッパの頂点を現実的な目標として強化を進めるパリ・サンジェルマンと、その他のクラブとでは、いかんともし難(がた)い戦力差、予算規模の違いが存在する。そしてその差は、昨シーズン以上に広がりを見せているというのが実情なのだ。

 とりわけ、本来「ストップ・ザ・パリ!」筆頭候補となるはずの昨シーズン2位・モナコは、優勝を狙うどころか、戦力ダウンの状態で開幕を迎えることになる。リーグ・ドゥ(2部)に降格した年の2011年12月からロシア資本となって捲土重来を図ったモナコであるが、3シーズンぶりにリーグ・アンに復帰した昨夏の移籍マーケットの動きと比べると、今夏は実に頼りない補強状況なのだ。

 まず、戦力ダウン最大の要因は、ブラジル・ワールドカップで得点王となり世界的ブレイクを果たしたコロンビア代表MFのハメス・ロドリゲスを、あっさりとレアル・マドリードに手放してしまったことにある。確かに8000万ユーロ(約110億円)という破格の売却金額は、昨夏に4500万ユーロ(約62億円)でポルトから獲得したモナコにとっては、わずか1年で3500万ユーロ(約48億円)の利益を手にしたのだから、美味しい話ではあっただろう。