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キャプテンC・ロナウドがポルトガル代表で輝けない理由 (2ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki
  • photo by JMPA

「"ロナウドがボールを受けたら、ボアテングが自由にさせない"というのは重要な戦略だった」

 ドイツ代表のヨアキム・レーブ監督が試合後に明かしたように、C・ロナウドを包囲すればポルトガルに手の打ちようがないことを承知していた。そして実際その通りになり、C・ロナウドは力んだシュートを天高く蹴り上げたのだった――。

 C・ロナウドの生まれ故郷、マデイラ島を筆者は訊ね歩いたことがある。大西洋に浮かぶ島はポルトガルとブラジルの間に位置している。坂の途中にあるぼろぼろの実家、丘の上のフットサル場、両親が夜遅く戻るまで過ごした隣家......その子供時代は豊かとは言えなかった。

「そんな状況から抜け出そうとしていたのか、人一倍、負けず嫌いだったよ」

 現地の人たちは思い出話を語っている。負けると悔しさで泣きじゃくり、うまくいかない試合ではチームメイトを詰(なじ)ることもあったという。勝負事になると、有り余る感情をコントロールできなかった。

 一方で、突出したエゴイズムと自信があったからこそ、彼はスターダムを上り詰めることができた。

「チームは自分の力で勝たせてやる!敗北の要素となるような選手は、仲間とは認めない」

 徹底して勝利を追求するキャラクターは、彼の異能だ。そこに着目したのが、当時マンチェスター・ユナイテッドを率いていたアレックス・ファーガソンだった。名将の指導により、"悍馬(かんば)はよく走る馬になった"。その後に移籍したレアル・マドリードでのサクセスストーリーは、今さら語るまでもないだろう。

 しかしながら、ポルトガル代表でのC・ロナウドは大きな成功をつかめていない。

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