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キャプテンC・ロナウドがポルトガル代表で輝けない理由

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki
  • photo by JMPA

小宮良之のブラジル蹴球紀行(4)

 6月16日、かつてブラジルの宗主国だったポルトガルが、サルバドールでドイツとのW杯開幕戦を迎えている。

「もしかすると自分のキャリアの中で最高の状態かもしれない。ケガが一つもないことは、こうした大会でこれまでなかった。110%の状態とはいかないが、100%の状態さ」

 そう自信ありげに語っていたクリスティアーノ・ロナウドは、たった一人でもドイツ機を撃墜させる気概を見せた。2013年度のバロンドール受賞者=世界最高のフットボーラーは、序盤からいくつか決定機をつかんだ。しかしそれをGKノイヤーに止められ、思惑通りにはいかなかった。

ドイツに0-4で敗れ、落胆の表情を浮かべるC・ロナウド(ポルトガル)ドイツに0-4で敗れ、落胆の表情を浮かべるC・ロナウド(ポルトガル) 気になったのは、チームメイトたちが気もそぞろに見えたことだ。C・ロナウドの存在に遠慮しているようですらあった。年収80億円とも言われるスーパースターが猛烈なダッシュを始めると、周囲は何とかパスを出そうと焦り、気負いも手伝ってか、パスの精度は落ちた。

 一人ではフットボールは勝てない。

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