テストマッチで露呈。コートジボワール守備陣に穴あり (2ページ目)

  • 栗原正夫●文 text by Kurihara Masao
  • photo by Getty Images

 コートジボワールで活躍が目立ったのは、いずれも1ゴール1アシストの活躍を見せたジェルビーニョとドログバ。W杯初戦で顔を合わす日本にすれば、この2人を自由にすると厳しくなりそうだ。

 9分にドログバからのスルーパスに反応すると、GKも抜き去って先制ゴールを決めたジェルビーニョは、42分のドログバへのアシストのシーンでもディフェンスラインの裏に抜け出すなど、随所に積極的な仕掛けが光った。

 ただ、時間帯によって左右位置取りを変えながら果敢に突破を試みる割には、その仕掛けは単調な感も否めない(もちろん、ゴールシーンのような一発もあるが......)。加えて、攻から守の切り替えの遅さは顕著で、長友佑都や内田篤人がマッチアップすることになれば、オーバーラップから数的優位を作ってチャンスにつなげることはそう難しくはないように思える。

 一方、先のボスニア戦のFKに続き、ジェルビーニョの左クロスに合わせて2戦連発ゴールとなったドログバは、運動量も減り、チェルシー時代のような往年の凄味は消えつつある。だが、今でも勝負強さは一級品。フル出場はなさそうだが、ゴール前で自由を与えれば失点を覚悟する必要がありそうだ。また、日本戦でそのドログバとの交代で途中出場が考えられるボニーが終盤に出場し、ゴール前に顔を出すシーンがあった。長身ではないものの、パワフルで両足ともに強烈なシュートの形を持っており、疲労が溜まった後半に出てくることになれば、ドログバ以上に厄介な相手といえるかもしれない。

 攻撃面で迫力を感じさせたものの、守備面では先のボスニア戦同様に欠点をさらしている。個々の能力云々の前に、集中力が続かないのか、セットプレイではマークのズレが目立ち、最終ラインで不用意な横パスを相手にインターセプトされてピンチを招くシーンが何度かあった。ボランチを含めて危機管理能力は低く、この日もバンバ、オーリエ、ティオテらが相手にみすみすチャンスを与えていた。

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