欧州日本人最多ゴールなるか?今季の岡崎慎司はここが違う

  • 山口裕平●文 text by Yamaguchi Yuhei
  • 木場健蔵●写真 photo by Koba Kenzo

 今季の岡崎慎司は活き活きとプレイしている。昨季はシュツットガルトで出場機会に恵まれずわずか1得点に終わったが、今季は心機一転を図った新天地マインツで、自身最多となる11得点を記録する活躍ぶりを見せている。5試合を残して、香川真司が打ち立てた日本人欧州主要リーグ最多13得点の更新へあと3ゴールと、期待は膨らむばかりだ。

ここまでリーグ戦28試合出場、11ゴールの岡崎慎司ここまでリーグ戦28試合出場、11ゴールの岡崎慎司 なぜ岡崎は今季ゴールを量産できているのだろうか? それはマインツのプレイスタイルと決して無関係ではないだろう。

 昨季まで所属したシュツットガルトが、前線に能力の高い選手を集めて個人技での突破を狙うスタイルだとすれば、マインツはよりチーム全体で連動してゴールを狙うチームだ。とりわけ中盤で守備ブロックを築き、ボールを奪ってからショートカウンターを仕掛けるスタイルは、岡崎が得意とする裏への飛び出しを最大限に活かしている。

 ボールを奪われた瞬間というのは、守備陣形が整わず背後のスペースへのケアも疎(おろそ)かになりがちだ。その隙を突くべく、マインツは守備から攻撃への切り替えを素早く行ない、岡崎の飛び出しを可能にしている。事実、岡崎が今季これまでに奪っている11ゴールのうち、実に7ゴールは裏への飛び出しから生まれたものだ。

 今季の初ゴールもそんな裏への飛び出しから生まれた。マインツの今季開幕戦(8月11日)の相手は奇しくも古巣シュツットガルト。岡崎は右SBのポスペヒからスルーパスを受けると、左足で冷静にゴールへ流し込んでみせた。

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