好アシストの香川真司。視線はバイエルンとの大一番へ

  • 了戒美子●文 text by Ryokai Yoshiko
  • photo by Getty Images

 マンチェスター・ユナイテッドがアストンビラに4-1で快勝した。マンUが本来の状態であれば、特筆すべき結果ではない。だが、ただでさえ不調で風当たりが厳しい中で、前節でマンチェスター・シティとのダービーに敗れてからは、さらなる逆風が吹き荒れたことを考えると、チームに安堵をもたらした勝利と言っていい。

アストンビラ戦に先発、今季初アシストを決めた香川真司アストンビラ戦に先発、今季初アシストを決めた香川真司 試合前に注目を集めた話題は、怒ったファンたちが「MOYES OUT(モーイズは出て行け)」というバナーをつけた小型機を飛ばすというものだった。日本人にはにわかに信じがたい行為に思えたが、それは試合中に実行された。キックオフのホイッスルがなり、上空からノイズが聞こえだすと、忙しい記者たちも手をとめて各々の携帯電話などを上空に向けて構えた。

 実際に飛んでいたバナーには「WRONG ONE-MOYES OUT」と書かれていた。「WRONG ONE」は、スタジアムに常に掲げられている「CHOSEN ONE」(選ばれしもの)というフラッグをもじったもの。これまでサポーターは「モイーズだけが悪いわけではない。彼には可能性がある」と信じてきたが、ダービーでの2連敗が彼らにこんな行動をとらせたのだ。

 だが、アストンビラ戦後のモイーズは余裕だった。「飛行機を飛ばすお金があるならフレッチャーの大腸炎患者支援チャリティに寄付したらいいのに」と、2日前に行なわれたチャリティイベントを引き合いに出してコメントした。

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