C・ロナウドが傲慢に見えても、それは理由あってのことだ
【サイモン・クーパーのフットボール・オンライン】現代のスーパースターたち(後編)
テレビはビッグクラブをさらにリッチにした。そのなかでも特にリッチなクラブが、最高の選手を獲得するようになった。リオネル・メッシは13歳でバルセロナに入り、すばらしいチームメイトとプレイしてキャリアを歩んでいる。周囲の助けがどれだけ大きいかは、メッシがアルゼンチン代表で苦しんでいる姿を見ればわかる。
ビッグクラブはスターたちと新しい取引を結んだ。きみたちが本当にプロフェッショナルとして振る舞うなら、こちらはそれなりの金を払う......。パリ・サンジェルマンのFWズラタン・イブラヒモビッチに言わせるなら、彼ほどの才能があれば、成功するかどうかは「選択の問題」だという。やるべきことは「その仕事をしよう」と決めることだけだ。今のスターたちはその決断をしている。
2013年のFIFAバロンドール、クリスティアーノ・ロナウド(photo by Getty Images) 究極の例がレアル・マドリードのクリスティアーノ・ロナウドだ。彼のように頑強な肉体を持ち、筋肉中の速筋繊維の割合がスプリンター並みに高いと、早いうちに体に限界が来ることが多い。90年代のスターたちにはそれが起こった。たとえばロナウド(元ブラジル代表FW)やマイケル・オーウェン(元イングランド代表FW)がそうだった。
しかしクリスティアーノ・ロナウドは、絶え間ないトレーニングとダイエットによってみずからの肉体を鋼鉄のように仕立て上げた。外国での試合から戻ると、彼は朝5時に氷を敷きつめた風呂に入ることがある。クリスティアーノ・ロナウドが傲慢に見えても、それは理由あってのことだ。それなりに大変な準備をしているから今の自分があると彼は信じている。その思いは間違っていない。
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