大波乱のクラシコで表出したレアルとバルサの課題とは? (3ページ目)
こういった場外戦を含め、今回のクラシコから見えてきた両チームの課題は大きい。バルセロナ寄りのスポーツ紙は一転、『世紀のクラシコ』と見出しを打ったが、バルセロナは過去の栄光のレベルからはほど遠い位置にある。特にレアルのカウンターをあれだけ軽々と許すディフェンスは、とてもトップチームのレベルとは思えない。
レアルのガレス・ベイル、バルサのネイマールという「ミリオンダラーコンビ」にしても、大舞台で主役を張ることができなかった。ネイマールは、セルヒオ・ラモスの退場をお膳立てする活躍を見せたものの、この二人に求められているのは、ビッグマッチを左右するもっと決定的でスペクタクルなプレーだろう。メッシと競り合うロナウド。この日は1ゴールだった photo by Nakashima Daisuke
また、バロンドールのロナウドを筆頭に、モドリッチやディ・マリアというクリエイティブなプレーを生み出すアタッカー陣や、セルヒオ・ラモス、ペペ、シャビ・アロンソの強固な守備トライアングルなど、過去にないバランスの良さとその実力を評価されている今季のレアル・マドリードだが、アトレティコ・マドリードやバルセロナには結局勝てないでいる。ピッチ外で主審の糾弾をする前に、ピッチ内に課題が残されているといえるだろう。
皮肉なことに、このクラシコが終わって首位に立ったのは、アトレティコ・マドリードだ。バルセロナは、これからアトレティコ・マドリードとチャンピオンズリーグのベスト8でも対峙しなければならず、今季リーグ戦の最終節にも、アトレティコ・マドリードとの対戦が残っている。
さらに、レアル・マドリードとバルセロナの対戦も、これが最後ではない。今回のクラシコは、国王杯(コパ・デルレイ)決勝に向けての序奏だ。1カ月も待たずして、今度は国王杯のタイトルを賭けたクラシコが行なわれる。
注目の一戦、クラシコは終わったが、三つ巴の最終バトルの幕は上がったばかり。王者を決める真剣勝負が、ここから始まる。
3 / 3