マンUモイーズの中での香川真司の優先順位はけっして低くない

  • 了戒美子●文 text by Yoshiko Ryokai
  • photo by Getty Images

 プレミアリーグ、ウェストハム対マンチェスター・ユナイテッド戦。香川真司が、1月11日に行なわれたスウォンジー戦以来、実に9試合ぶりのフル出場を果たした。

 3日前のチャンピオンズリーグ(CL)、オリンピアコス戦では、モイーズ監督が前日記者会見で「香川は試合に関わることになる」と発言したことから、出場機会があるのではないかと期待が高まっていた。だが結局、ベンチを温めたままで90分間が終了。それだけに待望の先発出場でもあった。

ウェストハム戦に先発フル出場した香川真司ウェストハム戦に先発フル出場した香川真司 ファン・ペルシーを欠いたウェストハム戦、香川はまず2列目の左でプレイした。中央にはマタ、右にヤング、1トップにはルーニーという布陣だ。香川は立ち上がり直後にマタにスルーパスを通したものの、早い時間帯はなかなか呼吸が合わずにいた。パスを一本通してもその後がつながらず、決定機には至らない。

 8分、ルーニーのスーパーゴールでマンUが先制。ハーフウェーラインを少し越えたあたりからのロングシュートが、ゴールに吸い込まれた。これで少し余裕が出たのか、試合はマンUのペースで進んだ。

 時間が経過するごとに、香川はルーニー、マタとの好連係でゴールに迫るようになる。ファン・ペルシーを1トップに置き、両サイドにクロスを上げられる選手を配する形をベストとするマンUではなかなか珍しいことだが、パスを出してスペースに走り、またボールを受けるという形がいくつも生まれた。もちろん、相手のプレッシャーが弱いということもあるのだが。

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