「特別な一戦」に完敗。ドルトムントを称える内田篤人

  • 了戒美子●文 text by Ryokai Yoshiko
  • 木場健蔵●写真 photo by Koba Kenzo

 ルールダービー、もしくはレヴィアダービーと呼ばれるシャルケとドルトムントの一戦は特別な戦いだ。本拠地が同じルール地域にあって20キロと離れておらず、ローカル線でも40分程度という地理的条件に、共にブンデス屈指のビッグクラブであるということなどが重なり、ブンデスリーガの中でも屈指のライバル関係が出来上がった。

 また、下部組織育ちの選手もダービーを盛り上げるのに一役買う。生粋のドルトムンターであり、シャルケへの対抗意識を公言するMFグロスクロイツなどは、試合前に名前をアナウンスされただけで大きなブーイングが起きる。シャルケの内部でも「グロスクロイツとは仲良くしてはいけない」と冗談めかして言い合うのだそうだ。このダービーだけはチーム状態やそこまでのリーグ戦の流れなどは全く関係のない、独立した一つの勝負なのだ。
 
ドルトムント戦に先発フル出場した内田篤人(シャルケ)ドルトムント戦に先発フル出場した内田篤人(シャルケ) 10月26日に行なわれた今季の一回目の勝負は、ドルムントが3-1で圧勝した。シャルケはホームで行なわれただけに意地を見せたいところだったが、さすがに現在のチーム力の差は歴然としていた。

 シャルケはフンテラール、ファルファン、ヘーガーと主力攻撃陣を欠き、台所事情は苦しい。ボアテングが移籍で加入、95年生まれの攻撃的MFマイヤーが台頭してはいるものの、まだまだチームは本調子にほど遠い。もともと失点の多い守備陣を攻撃がカバーするチームだけに、苦境に陥っている。

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