2013.10.06

最下位に辛勝。対戦相手から恐れられなくなったマンUの現状

  • 了戒美子●文 text by Ryokai Yoshiko
  • photo by Getty Images

 サンダーランド対マンチェスター・ユナイテッドの一戦は、18歳の新星ヤヌザイの鮮やかな活躍によりユナイテッドが逆転、2-1で勝利を収めた。モイーズ監督も選手たちもこぞって若き才能の出現を喜んだ。同時に、この試合も出場機会がなかった香川真司は、新たな攻撃的MFが頭角を現したことで行く末が危惧される――。

サンダーランド戦で2ゴールをあげたアドナン・ヤヌザイはベルギー生まれの18歳(右) これがサンダーランド戦の結果である。だが、それはあくまで結果にすぎない。ヤヌザイが得点(55分)するまでの時間帯は、そのヤヌザイのプレイを含めて、前節ウェストブロムィッチ戦後にモイーズが口にした「poor performance」(ひどいパフォーマンス)そのもの。どう考えても昨季王者の戦いにも、今季の優勝候補のパフォーマンスにも見えなかった。

「立ち上がりの5分から10分以外は我々のプレイは良かった」とモイーズは振り返る。

 だが立ち上がりから、サンダーランドはユナイテッドの攻撃を恐れることなくプレイしていた。4-1-4-1の布陣で、常にリスクマネジメントしながらカウンターからチャンスをうかがった。

 5分に生まれたサンダーランドの先制点は、一見事故のようでありながら、誘発されたものだった。サンダーランドは右サイドをドリブル突破で崩してクロスを入れる。ユナイテッドの右CB、つまり奥にいるCBであるジョーンズがクリアしたボールを、手前にいる左CBビディッチがさらに前に出そうとして相手FWに渡ってしまい失点した。CBの連係ミスではあるが、彼らが慌てる状況を作り出したのはサンダーランドの攻撃陣だった。