ウェイン・ルーニーが移籍すると、香川真司の立場はどうなる? (2ページ目)

  • 鈴木英寿●文 text by Suzuki Hidetoshi
  • photo by AFLO

 こうした背景を前提としつつ、7月17日付の『インデペンデント』紙はルーニーの移籍騒動に関連し、モイーズ監督の次のコメントに注視している。プレシーズンで訪れたオーストラリアで記者会見に臨んだ指揮官は、こう語っている。

「ロビン・ファン・ペルシーが負傷した場合、彼(ルーニー)が必要になる」

 ルーニーはケガを理由に、この夏のアジアツアーには帯同していない。『インデペンデント』紙が紹介したルーニーの側近の証言によれば、「ウェインは現在がキャリアのピークだと考えており、自身のキャリアを後退させるつもりはない」という。それだけに、モイーズの「控え発言」にルーニーが激怒したと報じたイングランドメディアの情報は、信ぴょう性が高い。

 ルーニー移籍を巡って、国内ではチェルシー、アーセナルなど多くの強豪クラブが獲得レースに参戦しているものの、最有力候補はジョゼ・モウリーニョ体制となったチェルシーだ。『サン』紙は移籍金を8000万ポンド(約120億円)と見積もり、『インデペンデント』紙はチェルシーにルーニーが加入すれば、フェルナンド・トーレスかデンバ・バ、いずれかのFWを売却すると予想している。何より、モウリーニョ自身がモイーズ発言の揚げ足を取って、「ルーニーがユナイテッドで2番手扱いを受ければ、イングランド代表にも影響を及ぼす」と間接的にラブコールを送っており、ルーニー移籍の可能性はまた一段と高まっている。

 現時点でモイーズは、「ルーニーを放出するつもりはない」と語っており、公式見解としてはその方針を変更していない。ただその一方で、『インデペンデント』紙が報じているように、「トップ下は香川真司のベストポジションである」と指揮官は考えているようだ。

 このような報道の中、ひとつの仮説が浮かび上がってきた。それは、仮にルーニーが移籍した場合、来季のトップ下のファーストチョイスとして、香川がランクアップしているという話だ。

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