一触即発!?「闘犬」ガットゥーゾが「闘将」としてセリエに復帰

  • 宮崎隆司●取材・文 text by Miyazaki Takashi photo by Getty Images

 はなはだ個人的な感想で恐縮ながら、私にとって2013年初夏の移籍市場における「最大のニュース」はコレである。

 ジェンナーロ・ガットゥーゾ(別名リンギオ=イタリア語で闘犬の意)、35歳にしてセリエBはパレルモの監督に就任。(2013.6.22正式に契約締結)

パレルモの監督に就任したガットゥーゾ。会見でザンパリーニ会長と記念撮影に応じたパレルモの監督に就任したガットゥーゾ。会見でザンパリーニ会長と記念撮影に応じた 監督アッレグリとの確執からミランを追われ、選手としての晩年をスイスのクラブ、シオンで過ごしていた彼は、昨季途中からスイスで選手兼監督を務めていたわけだが、ちょうどその頃に話を聞いたとき、ガットゥーゾは実に"らしく"熱いサッカー愛を語ってくれた。

「オレは今、永世中立国のスイスにいるんだが、んなことは関係ねぇ。このオレが行くところすべてが戦場だ。事実、この平和なスイスでもオレは常に勇敢な兵士であり続けている。場所なんてのはどうだっていい、ボールを蹴らせてもらえる場所があればオレはどこへだって行く。そして誰よりも勇敢に第一線で戦うさ」
  
 その男が、ついにイタリアに監督として戻ってくる。

 しかもそのクラブが冒頭に記したように、"あの"パレルモ。言わずと知れた「金も出すが口もメチャメチャ出しまくる」の典型にして「史上最強の解任王」として知られる会長、ザンパリーニのクラブなのだから、シーズン途中の監督と会長の"衝突"は必至。何と言ってもガットゥーゾは現役時代、時のイタリア代表監督、リッピの胸ぐらをつかんだ男なのだ。

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