【CL】プレミア勢全滅。冷静なハインケスとベンゲルの警告 (2ページ目)

  • 了戒美子●文 text by Ryokai Yoshiko
  • photo by Getty Images

 結果的に事なきを得たが、「しっかり分析しなくてはならない。チャンピオンズリーグが別世界のものだと知らされた」と、ハインケスは振り返る。また主将のラームは「勝利のためにハードワークが必要だが、この日は少々違った」と、自分たちに敗戦の原因があることを認めた。

 これで、プレミア勢はチャンピオンズリーグの舞台から姿を消した。8強に1チームも残らなかったのは17季ぶりのことだ。一方、ブンデス勢はシャルケが敗退したものの、ドルトムントとバイエルンが順調に勝ち残った。プレミアの凋落ぶりを感じさせる結末にベンゲル監督は危機感を隠さなかった。

「周囲のリーグが我々に追いついたということだ。何を改善させなくてはならないのか、将来のために考えていかねばならない。これは大きな警告だ」

 ハインケスはこの状況を、「運もあったと思う。例えばマンチェスター・ユナイテッドは組み合わせの運がなかった」と語るにとどめている。とはいえ、今やバイエルンとドルトムントはともに優勝候補の一角にあげられている。このことが何かを物語っているととるほうが自然だろう。

 準々決勝の対戦相手が決まる抽選会は3月15日に行なわれる。ハインケス監督は「次の対戦相手に関して特に希望はない。いずれにせよ難しい試合になるだろう。ただ、ドルトムントはできれば避けたい」と語った。

 ブンデスリーガの行方がほぼ決まった今、ドイツではチャンピオンズリーグ準々決勝に大きな注目が集まっている。今季ここまで全てが順調に進んできたバイエルンにとって、この日の24戦ぶりの敗戦は何を意味するのだろうか。

2 / 2

関連記事

キーワード

このページのトップに戻る