【EL】敗戦にも岡崎慎司「ゴール前で大胆なプレイができている」

  • 了戒美子●文 text by Ryokai Yoshiko
  • 木場健蔵●写真 photo by Kenzo Koba

ラツィオ戦にフル出場、おしくもヘディングシュートが外れた岡崎慎司ラツィオ戦にフル出場、おしくもヘディングシュートが外れた岡崎慎司 ヨーロッパリーグ決勝トーナメント2回戦、シュツットガルトがラツィオに0-2で敗れた。アウェーゴール方式を採用する大会におけるホームでの2失点は大きな痛手だ。

 岡崎慎司と酒井高徳はほぼ同じ内容の言葉で試合を総括した。

「相手が強かったという感覚はみんななかったと思う。だけど要所を決めてきて、コントロールされて負けた」(岡崎)

「正直なところ、チーム自体が強い感じはしないが、バランスが良く試合展開が上手かった」(酒井)

 入りが悪かったわけではなく、味方のミスからの2失点だっただけに腑に落ちないような感覚があるのだろうし、チャンスを作りながら得点に至らなかったことに力不足も感じたことだろう。
 
 だが、2人の表情は真逆だった。

 明るい表情を見せたのは岡崎だった。先週のドイツ杯ボーフム戦、2トップの一角で先発するも、まさかの前半のみでの交代。理由は本人にも分からず、「自信をなくさせるようなことをしなくていいのに。ラツィオ戦を楽しみにしていたのにこれでは出番がないかも」と、力なく話していた。週末のブンデスリーガ、レバークーゼン戦には出場していない。そんな流れを断ち切ってのフル出場だから表情が明るいのも無理はない。

 しかもこの日のポジションは4-2-3-1の右MF。「サイドのほうが自分にはいい」と感じていたが、その通りの起用となった。

 決定機にもこの日は絡んだ。前半16分には右サイドでのスローインから、ゲントナーがクロスを上げたところにダイビングヘッドで飛び込むが、これは惜しくもGKを直撃。前半42分には、中央のマケダを越えてきた左クロスに体ごと飛び込んだ。DFに寄せられ、GKとも交錯しながらのヘディングシュート。「たぶん目をつぶっていて何も見えていなかった」そうだが、「ゴール前での大胆なプレイができている」と、納得の表情だ。

1 / 3

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る