【イングランド】
これぞ「ジャイキリ」。4部チームが奇跡の決勝進出

  • 藤井重隆●文 text by Fujii Shigetaka

 22日に行なわれたイングランドのフットボールリーグ杯(キャピタル・ワン・カップ)準決勝第2戦で、4部のブラッドフォードがプレミアリーグのアストンビラに1-2で敗れたものの、2戦合計4-3で決勝進出を果たした。

 ブラッドフォードはベスト16でウィガン、準々決勝でアーセナルを下しており、3戦連続でプレミアのクラブに勝つ「ジャイアントキリング」を達成。主要大会で決勝戦に臨むのは1911年のFA杯以来、102年ぶりで、4部チームの決勝進出も62年のロッチデール以来、51年ぶりとなった。

 イングランド4部はプロリーグの底辺を指すが、メール紙によると同リーグの選手の平均年俸は国民平均の3万4000ポンド(約480万円)を若干上回る額とされ、プレミア勢の平均116万ポンド(約1億6240万円)と比べると30倍以上の差がある。

 選手の中にはオフの日にアルバイトをする者もいるほどだ。準決勝で貴重な1点を決めたブラッドフォードのFWハンソンは2009年に6部リーグから移籍したが、サン紙によると当時勤めていたアルバイトを辞め、減収覚悟でプロになったという。

 そんなブラッドフォードは決勝戦でプレミア勢のスウォンジーと対峙する。こちらもプレミア勢ながら101年のクラブ史で主要大会での決勝戦進出は初めて。優勝賞金は10万ポンド(約1400万円)で、優勝すれば来季のヨーロッパリーグ3次予選への出場権が獲得できる。

 ブラッドフォードは4度目の奇跡を起こせるか。スウォンジーがプレミアの意地を見せるのか。決勝は2月24日にウェンブリーで行なわれる。

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